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国内外で取引先を増やす「ファイブノット」がランウェイデビュー

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 2017-18年秋冬シーズンのファッションイベント「アマゾン ファッション ウィーク東京(Amazon Fashion Week TOKYO)」のオープニングを飾ったのは、ウィメンズブランド「ファイブノット(5-knot)」だった。

 今回が初のランウェイショーになったが、実は以前から気になるブランドでもあった。昨年、パリのショールーム「MC2」や上海のショールーム「K Point」でコレクションを見た際、デザインと価格のバランスに長け、さらにヴィンテージ感のある単品にビジネスの可能性を感じていた。

 その後、国内では「ロンハーマン(Ron Herman)」などに商品が並び、中華圏では約10件の取引先を開拓。順調に国内外の取引先アカウントを増やしている。新たな施策としてファッションショーを選択したのも、「新たな表現方法としてスケール感のあるランウェイショーを選んだ」(鬼澤瑛菜、西野岳人デザイナー)と、目的意識がはっきりしている。曖昧な自己満足ショーが大半を占める東京のデザイナーにあって、2人のビジョンは明確だ。

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 バギータイプのデニムパンツやレースのレイヤードスタイル、メンズライクなグレンチェックのボリュームコートなどが特徴で、粗野な色使いとも相性が良い。シルエットを見ると、古着を研究していることも伺わせる。現代のファッション事情を勘案すると、ヴィンテージ感や古着といった要素は必要不可欠で、コレクションに落とし込む力量が求められる。こうした要素をミックスしながらも、既にビジネスが軌道に乗っていることで、ランウェイデビューとは思えない安定感を感じさせた。

 あえて課題を挙げるならば、新鮮さやユニークさが欲しいところ。ブランドコンセプトにある「旅とヴィンテージ」を忠実にアイテム化したことで、コンセプトから派生するルックや演出がなかったように感じた。重みのあるウールコートとメタリックチュールを合わせる面白いスタイリングもあったが、もっと遊びがあってもいい。同ブランドは、今後もランウェイショーを続ける方針。また「色や素材をミックスし、新しい感覚を生み出したい」と西野デザイナーは語り、ブランドのコンセプトやスケール感がどう進化するのか、今から楽しみだ。

>>5-knot 2017-18秋冬コレクション

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市川重人