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新型コロナウイルス患者が語る、発症から治癒まで

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韓国人のパク・ヒュンは、新型コロナウイルスに感染したが、無事治癒した。かつての彼は、自分が感染するはずがない、と過信していたという。

By Lia Savillo and Junhyup Kwon

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新型コロナウイルスは世界中で爆発的に広まり、本稿執筆時点での発症者は12万7863人、死者は4718人に達している。WHOは3月12日、新型コロナは「パンデミック」であると表明した。

感染の震源地である中国を除き、世界でもっともコロナウイルス感染者数が多い国のひとつが韓国だ。韓国人の多くがこのウイルスの爆発的な流行を恐れている。ただ、韓国政府は死亡率を最低限に抑えることに注力しており、3月9日時点のデータでは、世界で大半の発症者が治癒していると確認されている。

新型コロナにかかり治癒したという48歳のパク・ヒュンは、自らの体験をFacebookで公開し、ひとびとにいっそうの注意を呼びかける。

彼の最新(3月8日)の投稿はこのように始まる。「おそらく当分は、これが最後の投稿となるでしょう。なぜならコロナウイルスと薬の副作用にダメージを受けた身体を回復させることに専念する必要があるからです」

自分は健康的な生活を送っていたにもかかわらず、コロナウイルスに感染した、と彼はいう。彼は週5回ジムに通い、頻繁に手を洗い、「使いすぎ」なほど手指消毒液を使い、さらにコロナウイルスの非流行エリアに住んでいた。だからこそ逆に注意を怠り、「愚かなほどに過信状態だった」と彼は振り返る。

パク氏がVICEに語った体験談を、時系列順にまとめた。

症状が出始める

それは2月21日金曜のこと。軽い喉の痛みと、乾いたせきから始まった。「冬、乾いた天気で、疲れているときはよくそうなるんです」とパク氏はいう。

当時の彼は、水を飲んでいれば治るだろう、と思っていた。しかしそれと同じ日、彼が暮らす釜山で、初めて新型コロナウイルスの感染者が確認された。それから彼は、息苦しさを感じるようになり、それは数日続いた。最初の症状が現れてから3日後には、呼吸も危うくなっていた。

彼が最初に電話をかけたコロナウイルス専門の緊急ホットラインはなかなか繋がらず、地元の自治体の保健所に電話をした。担当者は、パク氏がウイルスに感染している可能性は低いと判断したため、彼が検査を受けられたのは、3度目の電話のあとだった。

検査

彼が病院に着くと、ウイルス検査を待つひとが大勢いた。「早朝でしたが、すでに長蛇の列ができていました」とパク氏は語る。

検査は4時間待ちといわれていたが、列に並んで30分すると、パク氏は再び呼吸困難に襲われ、気を失ってしまう。そのさい、地面に頭を打ち、ケガを治療してもらうと同時にウイルス検査を受けた。

検査の結果を待っているあいだ、彼は自宅待機をし、感染したと思われる時点の1週間前から、自分が濃厚接触したすべてのひとに連絡をとった。

診断

2月25日火曜、パク氏は陰性という検査結果を受け取る。しかし、これでウイルス感染の疑いが晴れたと思ったのもつかの間、保健所から電話があり、間違った通知を送ってしまった、と告げられる。彼はやはり、コロナウイルスに感染していた。隔離エリアに空き部屋がないため、パク氏が入院するのは24時間後だと保健所にいわれた。

同日、役所の担当者から連絡があり、パク氏が最近行った場所について尋ねられた。彼が接触した人間を特定するためだ。パク氏の容体が悪いことを知った担当者は保健所に連絡し、パク氏の入院を優先させるよう伝えた。

同日の深夜、パク氏はとある病院の集中治療室(ICU)の隔離セクションにある陰圧室に運び込まれた。そこでさらなる検査をされ、薬の投与、酸素供給がされた。

治療

「呼吸が少しだけ楽になりましたが、まだ胸に重い金属板が入っているような気分でした」とパク氏は回想する。「薬を飲むと、胸と胃が燃えるような感覚がしました」

容体は不安定だったが、体力は復活してきた。最初の2日は薬の副作用がひどかったが、最終的に身体が順応してくれた。コロナウイルスに効くとされる薬がなかったため、副作用があってもその薬を飲むしかなかった、と彼は証言する。また、ICUにひとりでいた彼は、精神的に弱っていたという。

治癒

入院8日目、ついにコロナウイルス検査で陰性が出て、薬の投与も行われなくなった。次の日も陰性が出て、パク氏が治癒したことが明らかになった。

そして入院から9日で、ついに退院することとなる。しかし医者からは、今後2週間は自宅待機するようアドバイスされたという。というのも、退院患者が検査結果で再び陽性となることがあるからだ。

パク氏は今、快方に向かっているものの、いまだ回復に専念している、とVICEの取材に答えた。コミュニティを危険に晒したとして、彼と家族を糾弾する意見もあったが、パク氏はこういう危機の中でこそ、ひとの温かさに触れることができた、という。

「私が退院後も自宅待機していると聞いた母親の近所のひとたちが、私の家のドアノブに食料をかけておいてくれるんです。ありがたいですね」とパク氏は感謝を述べる。

パク氏は、身体を酷使しすぎず、ひとの多い場所を避けるようアドバイスする。そして、すでにウイルスに感染してしまったひとびとにはこう呼びかける。

「できるかぎりポジティブでいてください。しっかり食事し、水を飲み、睡眠をとりましょう。混乱させるようなメディアの記事はしばらく読まないように。自分の治療にあたってくれているチームを信じ、治癒するという意志をもってください。家族や友人のことを考えすぎないように。彼らはそんなに弱くありません」

「私が治癒したように、あなたも治癒できる。力を合わせれば、私たちは強いんです」とパク氏は断言する。

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This article originally appeared on VICE ASIA.

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